もうそれ以上のことを訊くのは野暮というものだ

 今日は、大府自治区主催の高齢者対象の交通安全運転講習が地域の公民館で開かれた。時間は午前10時から12時までであった。
DSCN3513.JPG 講師はMS&ADインターリスク総研の人で、高齢者を相手にしたこうした講習は、ずいぶん場慣れているようであった。
 まず、MS&ADインターリスク総研の会社概要から、講義が始まった。
 MS&ADインターリスク総研は、コンサルティング、受託調査研究、セミナーの開催・講師派遣、会員制事業、出版の事業をやっているとのことである。
 なるほど、今日の講師が場慣れしているのは「セミナーの開催・講師派遣」というセクションの人だからかも知れない。
 60歳を超えると当然、動体視力や身体機能が衰えるもので、いくら運転経験が豊富であっても、安全運転を心がけてくださいと、講師は幾つもの動画を提供しながら、再三にわたり、注意喚起を促していく。
 私はこれまで同じような講習を何度も受講しているが、常に気持を新たにして聞いている。動体視力や身体機能の衰えを痛切に実感しているからだ。
 私は今日、市の公園のバーベキュー場の勤務は午後1時から5時半までである。
 12時に安全運転講習を終えてから、急いで12時半に家に戻り、昼食を摂ってから12時40分に家を出た。公園の管理事務所に着いたのが、午後1時5分前であった。

 私は公園の管理事務所に着いてから、何の脈絡もなく、12月1日にバーベキューをやりに来た2人連れの男女のことを思い出していた。男の方が30代後半、女性が30歳そこそこのように見えた。
 男女2人だけで、定員10人のサイトにバーベキューにやりに来るカップルは、この3年間で数え切れないほどあった。
 今シーズンも男女のカップルが1組だけでやってくることが8度もあった。
 家族連れであれば、必ず子どもたちも一緒のはずである。
 その男女1組だけのカップルの多くは、出入り口が1つのドームテントを張り、その脇にコンロを組み立てて、肉やソーセージ、野菜などを載せて、食べごろになるとドームテントの中に持ち込んで、2人で仲良く食べている。
 ドームテントの入り口のカバーを下ろせば、その中の様子は外からは、うかがい知ることはできない。
 単純に子どもには恵まれない夫婦の場合もあるが、訳ありの男女の場合がほとんどである。バーベキューサイトの雰囲気は、2人の愛をはぐくむには最適な場所なのかも知れない。
 12月1日のカップルも、2人の様子から何か訳ありのような気がしていた。

 男性の方が食材用のトングを借りにきたので、倉庫から新しいトングを出して渡すとき、「どうぞ、ダンナさん!」と声を掛けた。
 私は急に意地悪心が湧いてきて、「ダンナさんでいいですよね」と訊くと「実はそうじゃないんですよ」と反応してくる。
 カマをかけたつもりであったが、その言葉にどう対応していいか分からず、黙っていると、その男性は「今年中に籍を入れたいと思っているんですよ」と弾むような声で言ってくる。
 そう言えば、女性の素振りにも縛りが解けたような身軽さが見てとれる。
 やっと2人の間に横たわっていた厄介な問題が解決して、2人の関係の先行きがはっきり見えてきたのであろうか。いずれにしても男女2人の動きはきびきびしており、今日、バーベキューをやることで、一気に迷いを吹き飛ばしたようである。
 人はどんなにあがいても、過ぎ去ったわずかな時間も取り戻すことはできない。刻々とやって来る時間を人は臆することなくしっかり生きていく。それを人生と呼ぶのではないか。2人の男女を見ていて、私はそんなことを考えていた。
 男性は現在、春日井市に暮らしており、女性の方は大府市に隣接する東浦町に住んでいるとのことであった。
 もうそれ以上のことを訊くのは野暮というものだ。

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