ヒカレものの呟き

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zoom RSS アンタはわたしのカレシじゃないのよ!

<<   作成日時 : 2018/02/10 22:17   >>

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 男には【友達以上恋人未満】で、15年以上付き合った女性がいた。
 だが、男は2011年、心臓カテーテル検査とペースメーカー植え込み手術を受けたのを契機に【友達以上恋人未満】の関係を清算して、女性の前から立ち去った。
 先だって、男のカミさんがインフルエンザに寝込んでしまい、夕食用の弁当を買いに隣町のスーパーに行ったとき、偶然、その女性が不機嫌そうに、食品売り場を中年男性と歩いているのを見てしまった。
 だが、中年男性の方は、その女性の不機嫌さをものともせず、終始、体を擦り寄せながら、ハイテンションで話しかけている。だが、肝心の女性の方は無表情のまま、中年男性の態度に反応しようとはしない。男には、一方的に中年男性の方が身も心も委ねているように見える。
 数年前、馴染みのスナックに行ったとき、ママから、その女性にベタ惚れの中年男性がいると聞いたことがある。さらにその中年男性はボーナスだけでなく、貯金まではたいて、さまざまなものをプレゼントしているようだとも言っていた。
 はたして、スーパーで女性と一緒にいるのは、件の中年男性なのであろうか。男は同病相憐れむ気持になっていた。
 そう言えば、男はママから、その2人のうわさ話を聞いたとき、ベタ惚れの男性に身になって、次のようなショートストーリーを書いたことがある。

 「ねえ、アンタ。あんまり、わたしのケイタイに電話を掛けてこないで!毎日じゃ、いくらわたしでもウザくなってくるの」
 「オレにしたら、キミの声が毎日聞きたくなるから、仕方がないんだよ」
 「ねえ、アンタ、覚えておいて。アンタはわたしのカレシじゃないのよ。これまで、わたしがアンタに何か買ってほしいとか頼んだことがある?アンタが勝手にわたしのアッシーになりたがっているだけじゃないの!わたし、基本的にカレシでもない人に金銭面でも気持の面でも負担を掛けたくないのよ」
 男は死刑宣告でも受けたように頭が真っ白になった。馴染みのスナックのマスターがいつもと違う男の表情に気が付いて、怪訝そうに男を見つめていた。
 男と女は知り合ってから、今年で6年目になる。男が35歳になったばかりのときに、同期入社の同僚とそのカノジョと3人でスナックに飲みに行くことになり、待ち合わせ場所に行ってみると、同僚のカノジョの友だちとして、件の女も一緒に来ていたのだ。
 野暮ったくて、ちょっと太めだった男はこれまで恋人と名の付く女性に出会ったことがない。女を呼んだのはそんな男に同情した同僚の心遣いであった。
 初めて女に会ったとき、男は一目ぼれした。美人タイプの上に、会話の中でみせる知性的な面が男を魅了した。
 だが、片想いだが好きな人がいると、初対面で宣告を受けたが、友だちとしてなら付き合ってもいいと言われて、男は有頂天になった。
 あれから、6年が経っても都合のいい男の域を超えることはできなかった。
 男は女のすごい剣幕に哀しくなってきて、恐る恐る訊いてみた。
 「電話を掛けるのをどのくらい日にちを空けたら、ウザくなくなるの?」
 「話したくなったら、わたしの方から電話するから、・・・」
 男はこの6年の年月が頭の中を駆け巡り出した。女にうまく言いくるめられているような気にもなってきた。
 <カレシでもない人に金銭面でも気持の面でも負担を掛けたくないの>という女の言葉が引っ掛かったのだ。
 女に「交通の便の悪い処で、会社の飲み会があるの」と、スナックで飲みながら困惑顔で言われると、男は即刻自発的に送り迎えを口にした。また女が結婚式に列席すると言えば、たとえ県外であっても躊躇なく送迎を申し出た。
 そんなことは指折り数えても十指では足りない。
 女の誕生日は4月だったが、二人で飲んでいると何気なく、「ピアスやネックレスはダイヤモンドでなきゃ嫌だし、自分はシャネラーなので、もし誕生日祝いをもらうなら、シャネルのバッグが最高!」と暗にシャネルのバッグが欲しいと匂わせてくる。
 男は惚れた弱みで、この6年間の女の誕生日祝いは1年目がダイヤのネックレス、2年目がダイヤのピアス、3年目からは連続してシャネルのバッグであった。
 典型的なサラリーマンであった男は、夏冬の賞与のときに経理部長にお願いして月々の給料の振込みとは別の口座を創設してもらい、女の誕生日祝いに当てていた。
 おそらく、この6年間で女の誕生日祝いで使った金額は、男の年収を軽く超えていた。だが、それでも男と会うときに女が身に着けてきてくれれば、男はつぎ込んだ金額を途端に忘れることができた。
 だが、飽きっぽい性格の女は2、3度身に着けただけで、あとは知らぬ素振りで他の男からプレゼントされたものを着てくる。それを前にした切ない男の気持など、女は慮ることもなかった。
 男は「分かった」と一言、聞こえるか聞こえないかの微かな声で言うと、もうそれっきり自分から話そうとはしなかった。
 男はトイレに立ち、涙の滲んだ顔を洗ってから、ケイタイを取り出して、女のメールアドレスとケイタイの番号を着信拒否の操作をし終わった。
 その後、女から2日に1度は電話やメールが入るようになった。
 男は履歴の画面を見ながら、「オレはオマエの都合のいい男じゃないぞ!」と思わず叫んでいた。

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