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zoom RSS 「なりたい自分になる」 ― だって、人生は一度きりだから

<<   作成日時 : 2017/06/28 22:19   >>

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 今日の勤務シフトは、午前7時半から12時半までであった。
 私はこの勤務シフトの場合、前日の午後11時には布団の中に入って、テレビ番組を観ながら、眠りに就く。私は寝つきが悪い方ではないので、いつの間にか、テレビをつけたまま、寝入っている。
 朝の5時半きっかりに目覚めるが、そのときには、テレビの電源は入っていないので、おそらく女房が切っておいてくれたものと思われる。
 この勤務のときはもう二度寝は許されない。従って、この勤務シフトの日は、深夜族の私にとっては、いつも長い一日となる。
 女房が朝食を用意してくれるまで、私はおもむろにパソコンの電源を入れ、立ち上げる。女房からの声が掛かるまで、ネットでニュースのザッピングをしている。
 今朝はなかなか声が掛からないので、いつもとは違って、22日に乳がんで亡くなった小林麻央さんがBBCに寄稿したと言われる文章を読んでいた。
 私はふと思い出した。確か、BBCに寄稿した文章は、大井真理子さんという日本人初のBBCレポーター/キャスターにより、英訳されていたことを思い出したのだ。
 仕事から帰ったら、麻央さんが寄稿した文章と英訳を対比して、読んでみようかなと考えていた。

 家に着くなり、早速、英訳された全文を読んでみた。それはかなり意訳したものであった。
 例を挙げてみる。
 @【「がんの陰に隠れないで!」私は気がつきました。元の自分に戻りたいと思っていながら、私は、陰の方に陰の方に、望んでいる自分とはかけ離れた自分になってしまっていたことに。】
 <"Don't hide behind cancer," she said, and I realised what had happened. I was using it as an excuse not to live any more.>
 この英文を私なりに訳してみる。
 <「がんの陰に隠れないで!」と彼女は言った。そして私は何が起こったのか理解した。私は、がんをもう以上生きていけないという言い訳として利用していたのです。>
 麻央さんの日本文とかなりかけ離れている。
 「意訳」とは、辞書には「原文の一語一語にとらわれず、全体の意味やニュアンスをくみとって翻訳すること。」だと載っているが、はたしてここまでの意訳で、麻央さんの思いが伝わるのであろうか。
 A【なりたい自分になる。人生をより色どり豊かなものにするために。だって、人生は一度きりだから。】
 <I will be who I want to be.>
 おそらく「なりたい自分になる。」の意訳が、<I will be who I want to be.>なのであろうが、「人生をより色どり豊かなものにするために。だって、人生は一度きりだから。」に対する英訳はどこにあるのであろうか。
 調べてみたが、その直前の英文の中にも、それに対比する英文は存在していない。
 私なりに英訳してみる。
 【I will be who I want to be. It is to make my life more rich and colorful. So my life is only once.】
 おそらく麻央さんの言いたいことが、最後のこの一文に込められているように思えてならない。それだけに、この省略された意訳は残念でならない。
 
 ※以下は、BBCに掲載された麻央さんが寄稿文と、大井真理子さんが意訳した英文の退避である。
 2年前、32歳の時に、私は乳癌であることを宣告されました。娘は3歳、息子はまだ1歳でした。「治療をして癌が治れば、元の自分に戻れるのだから、大丈夫!」と思っていました。けれど、そんなに簡単ではありませんでした。今も、私の身体は、がんと共にあります。】
 <Two years ago, when I was 32, I was diagnosed with breast cancer. My daughter was three, my son was only one. I thought: "It'll be OK because I can go back to being how I was before once the cancer is treated and cured." But it wasn't that easy and I still have cancer in my body.>
 私は、テレビに出る仕事をしていました。病のイメージをもたれることや弱い姿を見せることには「怖れ」がありました。
 なので、当時、私は病気を隠すことを選びました。隠れるように病院へ通い、周囲に知られないよう人との交流を断ち、生活するようになっていきました。
 1年8か月、そんな毎日を続けていたある日、緩和ケアの先生の言葉が、私の心を変えてくれました。】
 <For a long time I hid the disease. Because my job involved appearing on TV I was scared about being associated with illness or showing people my weaknesses. I would try to avoid being seen on the way to hospital appointments and I stopped communicating with people so as not to be found out.
 But while wanting to go back to who I was before, I was actually moving more and more towards the shadows, becoming far removed from the person I wanted to be. After living like that for 20 months, my palliative treatment doctor said something that changed my mind.>
 「がんの陰に隠れないで!」私は気がつきました。
 元の自分に戻りたいと思っていながら、私は、陰の方に陰の方に、望んでいる自分とはかけ離れた自分になってしまっていたことに。】
 <"Don't hide behind cancer," she said, and I realised what had happened. I was using it as an excuse not to live any more.>
 何かの罰で病気になったわけでもないのに、私は自分自身を責め、それまでと同じように生活できないことに、「失格」の烙印を押し、苦しみの陰に隠れ続けていたのです。
 <I had been blaming myself and thinking of myself as a "failure" for not being able to live as I had before. I was hiding behind my pain.>
 それまで私は、全て自分が手をかけないと気が済まなくて、全て全てやるのが母親だと強くこだわっていました。それが私の理想の母親像でした。
 けれど、病気になって、全て全てどころか、全くできなくなり、終いには、入院生活で、子供たちと完全に離れてしまいました。
 <Until that time I had been obsessed with being involved in every part of domestic life because that was how my own mother always behaved. But as I got ill, I couldn't do anything, let alone everything, and in the end, as I was hospitalised, I had to leave my children.>
 自分の心身を苦しめたまでのこだわりは失ってみると、それほどの犠牲をはたく意味のあるこだわり(理想)ではなかったことに気づきました。
 <When I was forced to let go of this obsession to be the perfect mother - which used to torture me, body and soul - I realised it had not been worth all the sacrifice I had made.>
 そして家族は、私が彼らのために料理を作れなくても、幼稚園の送り迎えができなくても、私を妻として、母として、以前と同じく、認め、信じ、愛してくれていました。
 私は、そんな家族のために、誇らしい妻、強い母でありたいと思いました。
<My family - even though I couldn't cook for them or drop them off and pick them up at the kindergarten - still accepted me, believed in me and loved me, just like they always had done, as a wife and a mother.>
私は、闘病をBlogで公表し、自ら、日向に出る決心をしました。すると、たくさんの方が共感し、私のために祈ってくれました。
 <So I decided to step out into the sunlight and write a blog, called Kokoro, about my battle with cancer, and when I did that, many people empathised with me and prayed for me.>
 そして、苦しみに向き合い、乗り越えたそれぞれの人生の経験を、(コメント欄を通して)教えてくれました。私が怖れていた世界は、優しさと愛に溢れていました。今、100万人以上の読者の方と繋がっています。
 <And they told me, through their comments, of their life experiences, how they faced and overcame their own hardships. It turned out that the world I was so scared of was full of warmth and love and I am now connected with more than one million readers.

 人の死は、病気であるかにかかわらず、いつ訪れるか分かりません。
 例えば、私が今死んだら、人はどう思うでしょうか。「まだ34歳の若さで、可哀想に」
 「小さな子供を残して、可哀想に」でしょうか??私は、そんなふうには思われたくありません。なぜなら、病気になったことが私の人生を代表する出来事ではないからです。
 <If I died now, what would people think? "Poor thing, she was only 34"? "What a pity, leaving two young children"? I don't want people to think of me like that, because my illness isn't what defines my life.>
 私の人生は、夢を叶え、時に苦しみもがき、愛する人に出会い、2人の宝物を授かり、家族に愛され、愛した、色どり豊かな人生だからです。だから、与えられた時間を、病気の色だけに支配されることは、やめました。
 <My life has been rich and colourful - I've achieved dreams, sometimes clawed my way through, and I met the love of my life. I've been blessed with two precious children. My family has loved me and I've loved them. So I've decided not to allow the time I've been given be overshadowed entirely by disease.>
 なりたい自分になる。人生をより色どり豊かなものにするために。だって、人生は一度きりだから。
 <I will be who I want to be.>

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