それが長く生き続けるということなのかも知れない

 私は現在、男性12名と女性4名で、市の公園のバーベキュー場で働いている。
 バーベキュー班には他の仕事を兼ねているメンバーが4人いるが、そのメンバーの年齢を聞いてみると、私よりも5歳から7歳、年下である。
 そのメンバーのうち2人は、週に7日ほど私立大学の保安係の仕事をしていたり、あとの2人のうち1人は大型ショッピングセンターの食品レジSTAFFをしており、もう1人は保養施設の警備係をしたりしている。
 4人の中には20日間も働くメンバーもいる。
 何気なく、何でそこまで働くのかと訊いてみると、できるだけ多くの人と会い、メンバーと世間話をすることでボケ防止にもなるし、何にも増して楽しいからだという答えが返ってきた。
 それから行くと、私は不真面目なのであろうか。私も女房も厚生年金受給者なのだが、あえて今のバーベキュー場で働こうと思ったのは、家計の負担にならず、自由になる小遣いがほしかったからだ。
 4人のメンバーとも、すでに年金受給者のようで、最初のうちは家計を助けているという本音を言えず、強がりを言っているように感じていた。だが、虚心坦懐に彼らに接していると満更、虚勢を張っているようには見えなくなった。何の迷いもなく、てきぱきと仕事をしているからである。
 4人のメンバーのうちの1人は、名古屋でサラリーマンをしていて、若い頃は名鉄百貨店ヤング館前の「ナナちゃん人形」のところで、彼女とよく待ち合わせをしたという話をしていた。
 どうも彼の出身地は関東方面だと思われ、名古屋の私立大学を出て、そのまま名古屋の会社に就職したようである。
 いつもきれいに整髪された白髪で、しかも白い口ひげをはやしていたので、私と同年代だと思っていたが、年齢を聞いてみると、昭和25年生まれだということである。
 私は昭和19年生まれだが、私の20代前半はまだ「ナナちゃん人形」は設置されていなかった。
 私たちの年代の待ち合わせ場所は、名古屋駅の中央コンコース桜通口側に設置されていた大時計前とか、太閤口側にある壁画前がよく利用した待ち合わせ場所であった。
 はたして、「ナナちゃん人形」はいつ設置されたであろうか。
 ネットで調べてみると、「ナナちゃん人形」のプロフィールは、昭和48年4月28日生まれで、身長が610cm、体重が600Kg、スリーサイズがなんと、バスト207cm、ウエスト180cm、ヒップ215cmと載っていた。
 なるほど昭和25年生まれは、すでに23歳になっており、「ナナちゃん人形」前は、大時計前とか、壁画前とかよりは、よりオシャレな待ち合わせ場所だったかも知れない。
 現在、名古屋の人気の待ち合わせ場所は、1位が金の時計、2位 名古屋駅前噴水広場、3位 銀の時計、4位 名鉄百貨店ヤング館前のナナちゃんで、5位がクリスタル広場となっている。
 私たち世代の「大時計前」が今では「金の時計」であり、「壁画前」が「銀の時計」である。
 私たちの若い頃は、駅西の太閤口側は発展しておらず、新幹線の改札口ができる前までは、何かにつけて「大時計前」即ち「金の時計」前で、待ち合わせることがほとんどであった。
 また1位から4位までは名古屋駅周辺だが、「クリスタル広場」だけは栄の地下街にある。名古屋駅周辺からだと、雨が降っても傘がいらないこともあって、人気のスポットになっているようである。
 私は、栄では「クリスタル広場」で一度も待ち合わせたことはなく、専ら、観覧車がある「SUNSHINE SAKAE」ビルの2階のテラスであった。
 リニア中央新幹線の品川-名古屋間が完成予定の2027年には、おそらく名古屋駅周辺は大きく変貌するものと思われる。
 そうすれば、自分の青春時代を投影していた景色も移り変わっていく。
 それが長く生き続けるということなのかもしれない。

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