公園内の水銀灯は、白色のLED照明に交換される
私は市の公園のバーベキュー場でアルバイトをしている。
バーベキュー場は12月下旬から2月一杯まで、シーズンオフに入る。このシーズンオフの間に公園のいくつかの改修工事が行われる。今年は公園の照明灯を水銀灯からLED照明に交換する工事と、公園の目玉となっている「芝生広場」の改修作業である。
芝生広場は、造園業者が専用車を持ち込んでローラーで整地したあと、新しい芝生を植えつける。そして周囲を来園者が侵入しないように針金で巻かれた頑丈なロープを張る作業が行われる。
1月29日の午後の出勤日には、この2つの改修工事が開始されていた。
園内には照明灯のポールが赤松林と雑木林の5本を含めて32本もあるが、LED照明に変えられるのは、そのうちの17本だけである。
公園には外回りコースと内回りコースの道路がある。外回りコースはおおよそ1.2キロで、内回りコースは0.7キロとなっている。その両コース沿いに設置されている17本の照明灯をLED照明に変える改修工事というわけである。
その17本の3分の1の水銀灯は現在、消えたままになっている。冬場は日の暮れるのが早く、午後5時を過ぎると暗くなってくる。外回りコースも内回りコースも照明灯の消えている辺りはまったくの闇で、周囲の木々の葉音だけがやけに大きく聞こえてくる。真冬の夜の公園などに誰もやって来ないと分かっていても、薄気味悪くなってくる。
水銀灯とLED照明の交換作業に来園しているのは、顔見知りの電業社だったので、LED照明は白色か、それとも青色かと尋ねたら、白色灯ということであった。
そう言えば、イギリスのBBCの1月26日付のニュースサイトに次のような見出しの記事が載っていた。
【Japanese train companies appeared to have found that soothing blue lights could reduce the rate of suicides at station. But does the "nudge technique" really work? And if so, how?(日本の鉄道会社は、落ち着いた青い光が駅での自殺率を下げる可能性があることを発見した。しかし、「ナッジテクニック」は本当に機能するのか? そして、もしそうなら、いかなる理由からか?)】
確か「2012年に読売新聞が「青色照明で駅や踏切での自殺激減」と報じている。JR高崎線では年間10件ほど飛び込み自殺が起こっているが、青色照明を導入した駅や踏切での自殺が0件になったらしい」と報じたことがあった。
最初に「青色照明で駅や踏切での自殺激減」と報じられたのは、10年ほど前だったろうか、
そのきっかけは、イギリスのグラスゴー市である。景観向上のために街灯をオレンジから青に変えたところ、検挙される麻薬常習者の数が4割ほど減ったという報道であった。
実際、日本では医学的、心理学的に青色照明が人を落ち着かせるかについては、実証されていないにもかかわらず、「青色照明に犯罪を減らす効果があった」と報じられた。
BBCの1月26日付のニュースは、何を今さらという気持なので、記事の内容は読まなかった。
私が気になったのは、【nudge technique(ナッジテクニック)】の「ナッジ」という言葉であった。
【nudgeナッジ】という単語の意味とは別に、ナッジ理論という言葉があったので、ネットで調べてみた。
<ナッジ理論は「小さなきっかけを与えて、人々の行動を変える戦略」です。行動経済学で用いられる理論のひとつとして扱われます。ちなみに、「ナッジ(nudge)』とは直訳すると「ヒジでちょんと突く」という意味です。
2017年に、シカゴ大学の行動経済学者リチャード・セイラー教授がノーベル経済賞を受賞したことで、「ナッジ理論」アメリカの企業を中心に世界的に広まってきていました。
(中略)
ささやかなきっかけを与えることで、人々の行動をガラッと変えてしまうことから、「現代の魔法」とも言われています。>
どうも「行動経済学」などという難しい分野に首を突っ込んでしまったようだ。
私は新刊書店の話題の本のエリアに「50万部突破」とか、「世間注目の1冊」とかのPOPが立っていると、つい拾い読みをして購入してしまうことがある。
スーパーで「店長おすすめ」や「消費税還元セール」などという手書きの紙切れを見ると、つい「買おうかな」と単純に思うことがある。これも「ナッジ理論」の一つなのであろうか。
ここまで書いてきて、気付いたことがある。
BBCニュースが【But does the "nudge technique" really work? And if so,(「ナッジテクニック」は本当に機能するのか? そして、もしそうなら、いかなる理由からか?】と問いかけているのは、実証されていないにもかかわらず、青色照明に犯罪を減らす効果があるというのは、まさにそれは「現代の魔法」ではないのかと皮肉っているのかも知れない。
バーベキュー場は12月下旬から2月一杯まで、シーズンオフに入る。このシーズンオフの間に公園のいくつかの改修工事が行われる。今年は公園の照明灯を水銀灯からLED照明に交換する工事と、公園の目玉となっている「芝生広場」の改修作業である。
芝生広場は、造園業者が専用車を持ち込んでローラーで整地したあと、新しい芝生を植えつける。そして周囲を来園者が侵入しないように針金で巻かれた頑丈なロープを張る作業が行われる。
1月29日の午後の出勤日には、この2つの改修工事が開始されていた。
園内には照明灯のポールが赤松林と雑木林の5本を含めて32本もあるが、LED照明に変えられるのは、そのうちの17本だけである。
公園には外回りコースと内回りコースの道路がある。外回りコースはおおよそ1.2キロで、内回りコースは0.7キロとなっている。その両コース沿いに設置されている17本の照明灯をLED照明に変える改修工事というわけである。
その17本の3分の1の水銀灯は現在、消えたままになっている。冬場は日の暮れるのが早く、午後5時を過ぎると暗くなってくる。外回りコースも内回りコースも照明灯の消えている辺りはまったくの闇で、周囲の木々の葉音だけがやけに大きく聞こえてくる。真冬の夜の公園などに誰もやって来ないと分かっていても、薄気味悪くなってくる。
水銀灯とLED照明の交換作業に来園しているのは、顔見知りの電業社だったので、LED照明は白色か、それとも青色かと尋ねたら、白色灯ということであった。
そう言えば、イギリスのBBCの1月26日付のニュースサイトに次のような見出しの記事が載っていた。
【Japanese train companies appeared to have found that soothing blue lights could reduce the rate of suicides at station. But does the "nudge technique" really work? And if so, how?(日本の鉄道会社は、落ち着いた青い光が駅での自殺率を下げる可能性があることを発見した。しかし、「ナッジテクニック」は本当に機能するのか? そして、もしそうなら、いかなる理由からか?)】
確か「2012年に読売新聞が「青色照明で駅や踏切での自殺激減」と報じている。JR高崎線では年間10件ほど飛び込み自殺が起こっているが、青色照明を導入した駅や踏切での自殺が0件になったらしい」と報じたことがあった。
最初に「青色照明で駅や踏切での自殺激減」と報じられたのは、10年ほど前だったろうか、
そのきっかけは、イギリスのグラスゴー市である。景観向上のために街灯をオレンジから青に変えたところ、検挙される麻薬常習者の数が4割ほど減ったという報道であった。
実際、日本では医学的、心理学的に青色照明が人を落ち着かせるかについては、実証されていないにもかかわらず、「青色照明に犯罪を減らす効果があった」と報じられた。
BBCの1月26日付のニュースは、何を今さらという気持なので、記事の内容は読まなかった。
私が気になったのは、【nudge technique(ナッジテクニック)】の「ナッジ」という言葉であった。
【nudgeナッジ】という単語の意味とは別に、ナッジ理論という言葉があったので、ネットで調べてみた。
<ナッジ理論は「小さなきっかけを与えて、人々の行動を変える戦略」です。行動経済学で用いられる理論のひとつとして扱われます。ちなみに、「ナッジ(nudge)』とは直訳すると「ヒジでちょんと突く」という意味です。
2017年に、シカゴ大学の行動経済学者リチャード・セイラー教授がノーベル経済賞を受賞したことで、「ナッジ理論」アメリカの企業を中心に世界的に広まってきていました。
(中略)
ささやかなきっかけを与えることで、人々の行動をガラッと変えてしまうことから、「現代の魔法」とも言われています。>
どうも「行動経済学」などという難しい分野に首を突っ込んでしまったようだ。
私は新刊書店の話題の本のエリアに「50万部突破」とか、「世間注目の1冊」とかのPOPが立っていると、つい拾い読みをして購入してしまうことがある。
スーパーで「店長おすすめ」や「消費税還元セール」などという手書きの紙切れを見ると、つい「買おうかな」と単純に思うことがある。これも「ナッジ理論」の一つなのであろうか。
ここまで書いてきて、気付いたことがある。
BBCニュースが【But does the "nudge technique" really work? And if so,(「ナッジテクニック」は本当に機能するのか? そして、もしそうなら、いかなる理由からか?】と問いかけているのは、実証されていないにもかかわらず、青色照明に犯罪を減らす効果があるというのは、まさにそれは「現代の魔法」ではないのかと皮肉っているのかも知れない。
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