戯れにセンター試験、やがて揺れつつ自信喪失

 17日の朝刊に大学入試センターの問題と解答が掲載されていて、このところ、アルバイト先で昼の休みには国語の現代文と英語の問題を解いている。
 国語の現代文の第1問は岩井克人氏の「資本主義と『人間』」という評論からの出題で、私には余り興味のない内容なので読むのには手こずりはするが、気を緩めずに取り組めば何とかなりそうだ。第2問は中沢けい氏の『楽隊のうさぎ』という小説からの出題で、問題を解くというより、何十年かぶりで中沢氏の小説に出会って、懐かしさと共にある種の親近感を持って問題を解かせていただいた。
 群像新人賞を受賞した中沢けい氏の『海を感じる時』を読んだのは、もう30年以上も前のことになる。
 当時、私はサラリーマンをやっていて、直属の部下の中に、23歳から27歳までの若い女性が4人もいたが、私が課の朝礼で、最近読んだ小説の中で最も面白かった小説の中の一つが『海を感じる時』だと感想を述べると、その若い女性陣が朝礼のあと、その本が読みたいとこぞって私のところに来て吃驚したことを今でも覚えている。話し合って回し読みをすればと渡したが、その後、『海を感じる時』という単行本は1ヶ月半以上経っても私の手元に戻らなかった。いつの間にか、よその課でも回し読みされていたのだ。瞬く間にその小説は女性に支持されて、ベスト・セラーとなった。
 以後、氏の作品は『女ともだち』 『野ぶどうを摘む』『風のことば海の記憶』 『ひとりでいるよ一羽の鳥』『水平線上にて』『往きがけの空』とエッセイ集2冊を含めた6冊を立て続けに読んだ記憶がある。その後の私は営業担当の仕事が昼夜を問わず忙しくなり、いつの間にか小説自体を読まなくなってしまった。
 確か、中沢氏は1959年生まれで、私よりも15歳も年下であり、そんな若い人の小説がセンター試験の現代文の問題に引用される。相当な時間が流れてしまったことを嫌でも思い知らされる。
 英語問題は、この歳になってもそこそこ勉強してきたつもりではいるものの、いざやろうとするとやはり緊張感には勝てず、ドキドキしながらもやってみた。少し問題に慣れてきたところで、二つほどちょっと気になる問題に出てきた。お前たちの時代とは違うと言われてしまうと反論できそうにないが、やはり、私は気になって仕方がない。
 その気になる問題の一つは次のようである。
 I have to get my commuter pass renewed because it [9] tomorrow.という一文で、[9]の正解を次の4つの中から選べという問題である。その4つとは、① activates ② conceives ③ expires ④ interferes である。なかなか難しい単語である。
 私たちの高校時代には、<大学受験必須単語8,000語>というのがあり、今私の手元にあるが、その中に【activates】は載っていないし、残りの3つの単語も使用頻度から言うとランクは低い。
 それより何より、【commuter】という単語も8,000語の単語に含まれていない。つまり【commute(通勤する)】とか【commuter(通勤者)】という単語は、私たちの時代の大学受験の参考書では、必須単語とは認定されていなかった。私たち年代にとっては、やはり、この問題は難問という範疇に属してしまうのである。
 ただ、私は去年まで名古屋にある外国語学校I.C.NAGOYAで英会話を勉強していて、会話の中に【commute(通勤する)】とか【commuter(通勤者)】とかの言葉は出てきていたし、【commuter pass (定期券)】の話題になると必然的に会話の中に「期限が切れる」という単語は飛び出してくる。結論から言うとこの場合の正解は③ expires(期限が切れる)である。そして、expireには息を吹き出すという意味もあり、その反対語はinpire(息を吹き込む)であり、その名詞形はinpiration(インスピレーション、霊感)である。
 気になったもう一つの問題は次の問題である。
 “Going through all the steps to adjust the brightness of my computer screen is a real nuisance.”
 “Well, why don't you do it the easy way?Just press this key. That's the [16].”
 [16]に入るべき単語を4つの中から選べというのである。
 その4つの単語とは、① shortcut ② shortened ③ shorthand ④ shortsighted である。実はこの問題は私たちの年代には難問なのである。
 と言うのは、私たちが大学受験を志していたのはもう半世紀も前のことで、当然、コンピューターなど存在していなかった。つまり、コンピューター用語には全く縁のない年代なのである。正解は① shortcut なのだが、やはり、前述の<大学受験必須単語8,000語>という参考書には【shortcut】という単語は載っていない。
 この問題も日頃コンピューターに馴染んでいれば何でもない問題だが、私たちの年代がコンピューターに馴染んでこなかったように、余り馴染みのない人にはたぶん英文の内容も含めて手こずる問題ではないだろうか。
 私は3年前、I.C.NAGOYAでビジネス英語を学んだが、そのとき、馴染みの薄いコンピューターに関する英単語を半ば強制的に覚えさせられて、自信を喪失した覚えがある。
 蛇足と言われそうだが、記憶を呼び戻すためにも、そのときに習ったコンピューター関連の英単語を記しておくことにする。
 browse Web sites drag and drop keyboard scan photographs cut and paste geek monitor surf the net disk drive hacker mouse technophile double-click highlight text play games whiz delete net evaders compressed file
果たして、漏れなく使いこなせるであろうか。

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