このところ、彼の気分は「So-So」

 昨日、午前11時過ぎから女房は昔の看護師仲間と昼食会だとかで、出掛けて行った。今日は英会話の授業を受ける日である。
 私は今日の夕食は、外国語学校のあるビルの地下1階にある「おにぎり屋」で摂ろうと思い、少し早めに家を出て行った。丁度1年前の今頃には、私は2日に1度はこの店に寄っていた。
 お客は20種類ほどの具の中から、お好みの具を2個選び、それに赤だし、卵焼き1切れ、そして紀州梅がセットになっていて、締めて556円也。私は早速、おにぎりの具に葉わさびと牛肉しぐれ入りをたのんだ。
 まだ午後5時半というのに今日は4人も若い女性のお客がいた。おにぎりがヘルシーということで若い人に支持されつつあるのであろうか。
 英会話授業の1コマ目が始まる30分前に学校に行くと、英会話講師のBrianが談話コーナーでテイクアウトのコーヒーを飲みながら、いやに真剣に<The Japan Times>を読んでいた。
 私の顔を見ると軽く手を上げる。お世辞にも元気そうだとは言えない。
 私が「調子はどう?」と聞くと、「So-So」と答えてくる。BrianがそんなSo-Soなんて曖昧な表現をするのを、この2年間で私は始めて聞いた。余程疲れているのであろう。
 私が「疲れているんじゃないの?」と聞くと、Brianは「今週は朝6時に起きて、一日中仕事だったことが多くて、ちょっと疲れているんだ。」と言う。
 すると、急にどこからかギュッという音が聞こえてきた。
 「Sorry!」、― Brianのお腹の鳴る音だったのだ。たぶん、ここのところ食事も充分に摂っていないせいなのであろう。
 そう言えば、先だって、クラスメートのYasukoさんから、8月1日にBrianの送別会をするから、ぜひ出席するように言われていたことを思い出した。私がそれとなく、「いつ、カナダに帰るの?」と聞いてみると、Brianは少し間を置いてから8月3日の月曜日だと言う。
 すると、おもむろにBrianは、7月31日の金曜日まで、自分がこの学校に来る日には、必ず2つのクラスをこなしているから、どちらのクラスでもいいから、授業に出席する気はないのかと私に聞いてくる。つまり、今度カナダに帰ったら、もう二度と会うことはないだろうから、できるだけ、自分の授業は受けろと言っているのだ。
 そう言えば、Brianとの付き合いは2年になる。クリスマス・パーティーや新年会、Robの送別会のときはいつもBrianとずっと一緒だった。特にクリスマス・パーティーのときなどは、パーテイーが終わってから、カラオケに行って一緒に歌い、何だかんだで朝6時まで飲み明かした。
 カナダ人Brianというナイス・ガイには、私が名古屋にある外国語学校I.C.NAGOYAに英会話を勉強しに行かなければ、決して出会うことはなかったであろう。この歳になって、外国人と本音で話し合うことができて、奇妙な仲間意識を持つことができるなんて、会社をRetireするときには考えてもみなかった。そういう意味からすると私は幸せ者なのかも知れない。
 彼の疲れた顔を見ていたら、Brianが望むように、今月いっぱい、できるだけ彼の授業を受けてみようと私は決心していた。

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