<教養>は金では買えない

 ここのところ、アルバイト先でトラブルが多く、そのトラブル・シュートに手惑って、名古屋にある外国語学校I.C.NAGOYAの英会話授業の受講手続きができないでいる。やっとトラブルが一段落したので、来週月曜日には受講手続きと授業料を支払いに行って来ようと思う。
 最近になって、I.C.NAGOYAの英会話講師のことが、懐かしく思い出される。
 I.C.NAGOYAで英会話を教えている外国人の多くは、映画や絵画など日本の文化に興味を持ち、四季折々の自然が豊かな日本の風土を愛し、勿論日本人も大好きである。無論、彼らはヒップホップやR&Bなどの音楽も大好きだが、概ね日本の演歌も好きである。
 今はもうワーキングホリデイの期間が過ぎて、ドイツのフランクフルト郊外に帰ってしまったが、ドイツ人のYuanは黒澤明監督や小津安二郎監督の映画や、北野武監督の作品が大好きで、私とはヒマを見つけては映画について色々話し合った。丁度去年の今頃だった。
 アメリカ人のBillとは、フランク・シナトラやディーン・マーティンの歌を授業の前によく一緒に聴いた。40歳の彼が、私が中学生の頃に流行ったフランク・シナトラやディーン・マーティンの歌を知っているのが不思議だったが、何故か、彼は古い歌が好きだった。
 また、カナダ人のBrianとは、「Stand by me」やマドンナの「Like a virgin」の詩の意味について何度か語り合った。特にBrianは音楽だけでなく、日本文学にも精通していて、ノーベル賞作家の川端康成や村上春樹の作品を読んでいて、彼は突然、私に小説の中の主人公の心理について解説をしてくれと、英訳本を教室に持ってきて何度か尋ねられたことがある。
 悲しいけれど、私自身が川端康成や村上春樹の作品を深く読み込んでいないのと、英語で解説するほどの英語力が私に備わっていないのとで、上っ面だけの会話で終わってしまった。Brianには今でも、本当に頼りなくて、申し訳ないと思っている。
 とにかく、もう一度、彼らの授業を受けて、映画の話や音楽の話、できれば日本文学や絵画についても、語り合ってみたい。それがまた、I.C.NAGOYAで英会話を勉強してみたくなった理由である。
 2、3日前、このブログで、世の中で「金で買えないもの」の一つに、「かけがえのない友だち」と書き込んだが、もう一つ、世の中で「金で買えないもの」を上げれば、<教養>ではないだろうか。
 あってはならないことだが、金で物を言わせて、裏口入学で学校へは入学させることができるかも知れないが、<教養>は、本人に努力する能力と自然と人間をこよなく愛する気持がなければ、培われるものではない。
 どの国の人でも、生きていく上で共有できる価値観と情緒は必ずあるはずである。言葉を変えれば、<教養>を根気よく身に付けるという行為は、人と人との軋轢を和らげながら、相手の立場を尊重し、自分も生き甲斐のある楽しい生活を構築するのには、必要不可欠な当たり前の人間の行為なのかも知れない。

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