桜の季節になると、ときどきカナダ人英語講師を思い出すことがある

 私は市の大府みどり公園で、シルバー人材センターの会員として60時間から70時間ほどアルバイトをしている。
 私は去年の3月24日からFACEBOOKを再開したが、今年は飽きもせずに河津桜を皮切りに陽光桜、コヒガンサクラなど、いろんな桜の写真をUPしてきた。
 だが、すでにソメイヨシノ、枝垂れ桜は散ってしまい、最後となった遅咲きの八重桜も散りかけている。
 これからの公園を彩る花はツツジとハナミズキである。
 桜の花の季節が終わりに近づくと、私は会社をRetireしてから、足かけ2年間にわたり、名古屋の外国語学校で英会話を勉強していたときに知り合ったカナダ人英会話講師Brianのことをときどき思い出すことがある。Brianの日本語はたどたどしく、英語で日常会話ができる生徒たちには安心できるのか、気軽に話しかけてきた。
 彼の英語は訛りがなく、発音はきれいで、ゆっくり話してくれれば、私はほとんど理解することはできた。おまけに私の表情を見ながら、理解していないと感じると別の単語に置き換えて、ゆっくりと説明してくれた。
 出身地はトロントで、年齢は32歳で独身だった。
 彼と初めて学校で出会ったのが桜の季節であった。彼は私と会う前年には桜の花を追って全国を旅したことを話してくれた。
 そのとき、彼は九州から青森まで、電車を乗り継いで桜の花の開花を追っていき、帰りはレンターカーで盛岡に出て、新幹線を乗り継いで名古屋に帰ってきたと言っていた。
 それを聞いて、私は弘前城・弘前公園の桜を観たかと訊いてみた。青森と言えば、弘前城・弘前公園の桜が最も有名だからだ。
 Brianは「見なかったよ」と怪訝そうな顔で、こちらを見返してきた。
 Brianは友だちが桜の名所として推薦した中に弘前がなかったからだと言い、本当に悔しい素振りをしていた。
 私はなぜそんなに桜の花が好きかと尋ねると、彼は単純に「桜の花が好きなだけだ」という返事を返してきた。
 意外にもそのとき、Brianは<好きだ>という動詞をLOVEという単語を使ったので、私は思い切って「LOVEは女性が好んで使う動詞ではないのか?なぜ、LIKEを使わないのか?」とイヤらしい質問をしてしまった。
 彼は即座に「基本的には、どちらを使っても構わないのだがね」と言ってきた。
 しつっこい性格の私は別の視点から、「日本人の私には、LOVEの方が<好き>の度合いが強いように思えるのだが!」と言うと、彼は少し考え込んでから、意を決したかのように詳しく話してくれた。
 つまり、LOVEとLIKEの違いが、<好き>の程度の問題ではなく、LOVEは自分と異質のもの、未知なるもの、自分が持ち合わせていないものなどを含め、対象となる物や人が「好きだ」という行為であり、LIKEは自分と同質のもの、共通するもの、感性が同一線上にあるものを「好きだ」という行為なのだと説明してくれる。
 恥ずかしながら、彼が必死で説明してくれる言葉の半分ほどしか理解できなかった。だが、上述の意味で、たぶん、間違いないと思われる。
 Brianの説明が、私の理解した内容通りであれば、ガールフレンドにはやはり【I Like you.】よりも【I love you.】の方が合っていると思える。
 決して、キリスト教徒が【I like God.】とは言わない理由が分ったような気がしていた。
 そして、日本に来るまで、実際に桜の花を観たことのないBrianにとっては、【I love cherry blossoms.】の方が自分の気持を表現するのには、ピッタリだったということになる。
 それからは、私もBrianが説明してくれたLOVEとLIKEの違いを意識して、使い分けをするようになっていた。
 しかも、【L】と【R】の発音の違いを必要以上に意識しながら、使っていた。

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