現在、駅前にある喫茶店は喫茶店チェーンのコメダ珈琲店1軒だけになってしまった

 私が所属している大府コミュニティ推進協議会の広報部長から、次回の広報誌発行について、3月27日の午後2時から地元公民館で打ち合わせをしたいから、集まってほしいとの連絡が入った。
 私は今期、広報部会の副部長に任命されていたが、来期は辞退したい旨を会長に伝えてあったが、その打ち合わせ会議で一般の部会員として来期も継続して、広報誌の発行に携わってほしいと依頼されて、了承してしまった。
 私はやはり、広報誌に記事を書いたり、自身で撮った写真をUPしたりするのは根っから好きなようで、頼まれると嫌とは言えなかった。
 その打ち合わせ会議は1時間半ほどで終了した。
 午後から、女房は陶芸教室に行っており、家にはいない。
 私は以前、JR大府駅前の市営駐車場でアルバイトをしていたが、帰宅しても女房がいないときには時折、駅前の喫茶店で、いわゆる「イタスパ・セット大」を注文して、その日の夕食を摂っていた。
 「イタスパ・セット大」とは、ホット又はアイスコーヒーにイタリアン・スパゲッティの大盛りをセットにしたメニューで、大盛りとは、スパゲッティの量が1.5人分あるという意味で、値段は850円であった。
 打ち合わせ会議を終えたあと、その喫茶店で「イタスパ・セット大」を食べて帰ろうと思い立った。
 イタリアン・スパゲッティとは、この名古屋地方独特の呼称である。
 基本は、いわゆるナポリタン・スパゲッティだが、鉄板の上のナポリタン・スパゲッティに溶き卵を流し込み、その上に2つほど、切り込みを入れた赤いウインナーを乗せ、鉄板ごと熱し、卵に火を通して完成する。
 スパゲッティがケチャップの酸味と卵の味に馴染んでくると、その上にたっぷりとタバスコを振り掛け、混ぜ合わせて食べるのが私流の食べ方であった。
 私がサラリーマンとなり、営業担当を任された45年前には、もうすでに、このイタリアン・スパゲッティは名古屋近郊の喫茶店の人気のメニューになっていた。
 私の得意先である三菱重工枇杷島工場近くの喫茶店のメニューにも、このイタリアン・スパゲッティがあり、仕事帰りによく食べたものである。
 不思議なもので、イタリアン・スパゲッティを食べると、毎日、売上向上に奔走していた若かりし30代の駆け出しの頃を思い出すことが多かった。
 私は会社をRetireしてから、足かけ2年間、名古屋にある外国語学校I.C.NAGOYAで英会話を学んだが、そのときの英会話講師は一様に、この「イタリアン・スパゲッティ」というネーミングに驚いていた。
 名古屋で働く英会話講師は、名古屋で就業ビザが取得できるカナダ人を除いて、まずは東京や大阪で働いてから、その後に名古屋にやって来て、英会話を教えている人がほとんどである。
 当然、東京や大阪の喫茶店には「イタリアン・スパゲッティ」というメニューはないので、彼らはどんな食べ物なのか、全く知らない。
 「イタリアン・スパゲッティ」が話題にあがると、どんなスパゲッティなのかを説明してくれとよくたのまれたものが、相手がナポリタン・スパゲッティを知っている場合には何とかなるが、知らない場合には私の語彙力では説明しきれず、いつもお手上げ状態となる。
 だが、そこはよくしたもので、同じレベルのクラスメート何人かで、かわるがわる、いろいろな角度から説明を試みると、少しずつ、キョトンとしていた相手も質問が出てくるようになり、いつしか会話のキャッチボールが成立してきて、次第に相手も分った表情になってくる。
 あるとき、アメリカ・アリゾナ州出身のBillが「イタリアン・スパゲッティ」の話題のあとに、何を思ったのか、急に名古屋の喫茶店ではどこでも実施している「モーニングサービス」の話をし出した。
 「モーニングサービス」は和製英語(英語ではbreakfast specialというらしい)であり、東京から名古屋に来た当時は何のことか、さっぱり分らなかったが、友だちから説明を受けて、今は毎日、朝食は「モーニングサービス」で済ますようになったと話してくれた。
 さらに彼はコーヒーとトースト、ゆで卵とサラダが付いて、400円はリーズナブルで、朝食として充分な量だと言っていた。

 だが、私が6年前まで市営駐車場のアルバイトを午前中に終えると立ち寄っていた喫茶店はすでに閉店になっていた。
 20年前まで大府市のJR駅前周辺には4軒の喫茶店があったが、時を経るごとに減っていき、今は喫茶店チェーンのコメダ珈琲店1軒だけになってしまった。

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