秘めに秘めた思いが、歌手としてNHK紅白歌合戦で『浅草キッド』を歌わせたのかも知れない

 昨日1月2日のスポーツ報知の電子版に【令和初の紅白歌合戦、視聴率は過去ワーストで大台割れ37・3%】という見出しの記事が次のように載っていた。
 <昨年大みそかのNHK総合「第70回紅白歌合戦」の平均視聴率が前半(午後7時15分~8時55分)が34・7%。後半(午後9時~11時45分)が37・3%(数字はビデオリサーチ、関東地区)で過去最低だったことが2日、分かった。>
 思えば、私が大晦日の紅白歌合戦を見なくなってから、10年以上の年月が経つ。その代わりにテレビ愛知の年末恒例の歌番組『年忘れにっぽんの歌』を観ることが多くなった。この番組のキャッチフレーズは「本当に聞きたい「日本の名曲」をたっぷり6時間お届けします!」である。
 だが、放送時間が16時00分~22時00分であり、いかにも長時間なのでDVD録画しながら観ている。途中、何時間も外出することもあるからだ。
 そこで、今日、リアルタイムで観ることができなかった個所だけを再生して観ていた。
 改めてネットで確認すると、この番組のNHK紅白歌合戦とラップする時間帯の視聴率は7.3%と載っている。
 今回の「NHK紅白歌合戦」では、ビートたけしさんが歌手として初出場を果たし、自らが作詞作曲をした『浅草キッド』を披露したが、昨日今日のSNS上ではかなり評判となっている。
 私はこのブログに2度、『浅草キッド』の歌詞を取り上げ、その詩の内容で自分の青春時代を思い出して、感動したことを書き込んだ。
 そして、私は最近、就寝前にお気に入りに登録してあるこのビートたけしさんの『浅草キッド』を聴いていることが多くなった。そのほかにも杉本眞人さんの『あなたの背中に』と『ありふれた人生だけど』を聴いている。
 今日、YouTubeを開いてNHK紅白歌合戦で歌ったビートたけしさんの『浅草キッド』を視聴したが、10年前の動画とは、少し歌い方が違ってきているようだ。やはり10年前の動画の方がいい。
 だが、『浅草キッド』を歌うたけしさんは飾り気もなく、日ごろとはうって変わって真剣そのもので、SNS上で評判はその歌い方が下敷きになっているものと思われる。
 この歌詞の相方は、芸名「マーキー」というフランス座の後輩男性とのことである。
 1988年に刊行されたたけしさんの自伝的青春エッセイ『浅草キッド』の第十三章「マーキーと名乗るヘンなやつが入って来た」で「マーキー」のことが語られている。
 そこに次のような個所がある。
 「オレとマーキーは、誰がどの舞台にデビューしようが、テレビに出ようが、たいして相手にしなかったが、仲間たちのデビューを耳にして、バタバタと慌て出すやつらもいた。」
 そして、たけしさんとコンビを組んで、演芸場で漫才をやらないかと誘ってくる者もいた。
 だが、たけしさんは「だけど、オレはマーキーとコントをやることに決めちゃったからさ」と断り続ける。よほど、たけしさんは苦労を共にした相方と2人で、コントをやることにこだわっていたようである。
 第十四章「二郎と組んで、ついに漫才デビューすることになった」の冒頭にこんな文章がある。
 「悪いことというのはいつも予想外に、突然やって来るものだが。そんな時だった。一緒に稽古していたマーキーが、酒が原因で病気になってしまったのだ。当分のあいだ静養しないと、生命が危ないというのだ。普段から、かなり飲むやつだと思っていたが、マーキーの身体がそこまでなっているとは露も知らなかった。これには、オイラもちょっとショックだった。」
 自伝的青春エッセイ『浅草キッド』には、「マーキー」とのコントを諦めた経緯がこれ以上、詳しく語られていない。
 だが、ネットで『浅草キッド』の歌詞の相方について、次のように載っていた。
 【「マーキー」はお笑い界での成功を夢見て、たけしさんと漫才コンビを組んだが、圧倒的な力量差に打ちのめされ、精神を病んでしまい、ついには自殺未遂を図り、引退に追い込まれる。そんな「マーキー」を見舞いに行ったたけしさんに病室で言い放ったのが「夢は捨てた」という言葉だった。】
 さすがのたけしさんも、コントの相方「マーキー」が精神的に追い込まれ、自殺未遂を図ったことまでは語りたくなかったようだ。
 だが、相方の「夢は捨てた」という言葉はよほど悔しかったに違いない。
 秘めに秘めた長い間の思いが、歌手としてNHK紅白歌合戦で真剣に『浅草キッド』を歌わせたのかも知れない。

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