全国の朗読グループでは、新美南吉の童話を取り上げる人が多くなっている

 私は5月30日に市役所の多目的ホールで開催された「朗読グループおおぶ紙ふうせん」の「朗読の ひととき」を聴きに出かけていった。
 その折、プログラムに新美南吉さんの「でんでんむしのかなしみ」という童話の朗読があり、初めて人の声を介して、新美南吉さんの作品を聴いた。やはり、読むのとは違った趣があった。
 実は、私が新美南吉という名前を聞いたのは、会社をRetireしてからであった。

 会社をRetireしてから、しばらくは女房と一緒に、足腰を鍛えるという名目で、あちこち季節の花を観に行くことが多くなった。
 その一つが半田市の【ごんの秋まつり】の開催期間に満開となる矢勝川堤防のヒガンバナであった。その矢勝川の近くに新美南吉記念館があり、女房の要望もあって、ヒガンバナを見たあとにその記念館に立ち寄ってみた。記念館ができるほどだから、新美南吉さんは半田市周辺の人には今でも記憶に残る人だと思われた。
 なお、「ごんの秋まつり」の「ごん」は、半田市出身の童話作家・新美南吉さんの代表作「ごんぎつね」からとっているとのことである。
 その「ごんぎつね」の中に『ひがん花が赤い布のように咲いている』と描かれている箇所があり、1990年、子どもの頃に南吉さんと遊んだ経験がある男性が、『南吉がよく散策していた矢勝川堤をキャンバスに、彼岸花で真っ赤な風景を描こう』と決意し、半田市・新美南吉顕彰会も賛同、大勢の地域住民も参加して、「ごんぎつね」に登場する彼岸花の球根を植栽したのが、現在の矢勝川堤防の彼岸花の始まりとのことである。
 こうした経緯から、現在の矢勝川堤防には、東西2キロにわたって続く、約300万本の真っ赤な彼岸花が秋の彼岸頃には咲き広がるようになり、観光名所ともなった
 私は2007年の10月、このブログに【愛知県半田市矢勝川堤防沿いのヒガンバナ】というタイトルで記事を書いている。それからも2度、ヒガンバナの鑑賞に行き、そのあとに新美南吉記念館に立ち寄っている。
 2014年ごろ、孫娘2人に新美南吉さんの童話を読ませたいと思い、あちこちの書店巡りをして、岩波文庫の『新美南吉童話集』と『デデムシ 新美南吉詩歌集』を手に入れた。このブログにも『手ぶくろを買いに』という童話の読後感を書いている。
 だが、孫娘2人が小学校の高学年になっても、新美南吉さんの著作には見向きもしなった。娘も余り興味を持っていないようで、専ら、私自身が読むだけであった。
 全国の朗読グループの人たちの中で、新美南吉さんの童話を取り上げる人が多くなっている。
 童話の文章には難解な漢字は出てこないし、難しい表現も出てこない。だが、その分、声の強弱や喋りのスピード、断定の文章の間の取り方など、いくつもの工夫が必要となる。朗読を楽しむ人には、その分、やりがいがあるということになる。
 そう言えば、 Amazonの「新美南吉」のおすすめランキングでは、1位が『手ぶくろを買いに』で1475人がすすめ、2位は『ごんぎつね』1099人、そして3位が『でんでんむしのかなしみ』297人と読むのを薦めている。
 YouTubeの朗読の中で、ネットにUPされている新美南吉さんの童話は、やはりこの3作品がダントツに多くなっている。
 
 余談だが、『デデムシ 新美南吉詩歌集』を手に入れたのは、刈谷市の古書店である。
 帯に<詩・童謡62篇、短歌32首、俳句41句 南吉の「こころ」をキーワードに選択、時代順に配した、珠玉の短詩形文学集>とあり、売価は1000円と高かったが、思わず購入してしまったものだ。
 今日、「日本の古本屋」というホームページで、この『デデムシ 新美南吉詩歌集』を入力してみたら、「日本の古本屋」に参加している950店以上の古書店にも在庫がないというメッセージが出ていた。Amazonには3冊が保管されているようだが、すべて4000円台となっている。もともと発行部数が少ないのかも知れない。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

monban
2019年06月05日 16:30
issa様。私は2年くらい前に、実家の母、義姉と共に半田の終わりかけのヒガンバナと南吉の生家を見、去年、朗読の先輩に誘って頂いて、記念館に足を運びました。
今南吉の絵本を2冊持っていますが、「しっていません」「いるのでありました」「おんも」等の現在では使われない独特な言い回しの箇所では、子ども時代に南吉の物語を読んだ懐かしい感覚が甦ってくるようです。現代の子ども達には、ゆったりとして少し物悲しさの漂う南吉の童話は、どう受け止められているのかなぁと思うことがあります。
issa
2019年06月05日 22:39
monban様、今日も新美南吉さんの「手袋を買いに」と「赤い蝋燭」を読んでみましたが、なぜか読み手の心を温めるような終わり方になっています。と同時に人間賛歌を暗示しているようにも思えます。これは高齢者の私だから感じる、読後の余韻かも知れませんね。

この記事へのトラックバック