時には流し読みせず、文章表現を楽しむことも必要である

 1月17日付の中日新聞の「この人」の欄では、芥川賞を受賞した若竹千佐子さんのことが紹介されていた。
 その中に【大学卒業後に臨時教員を経て主婦に。五十五歳で夫を亡くしたのを機に、小説講座に通い始めた】という一文があった。
 はたして、その小説講座」とはどこなのかと思っていたら、あるテレビ番組の中で、その小説講座とは、『早稲田大学エクステンションセンター』の『小説教室入門』だと紹介されていた。余計なお世話だが、これからは若竹千佐子さんの芥川賞受賞で、その『小説教室入門』という講座の受講者の希望が増えそうである。
 私は気になり出して、ネットで検索してみた。
 検索してみると、確かに早稲田大学には、『早稲田大学エクステンションセンター』という生涯学習機関があり、間違いなく『小説教室入門』という講座が開設されていた。
 ただ『小説教室入門』には「基礎編」と「応用・総合編」の2つのコースがあるようなのだが、はたして若竹千佐子さんはどのコースを受講したのであろうか。
 おそらく、日程が全8回の「応用・総合編」を2期にわたって受講したものと思われる。
 講座の目標は【課題の講評と推敲の実践的な方法を提示し、また名作・問題作等の解読を通し、小説を読む力と表現力をつけ、独自の作品が書ける】ようになることだそうである。
 さらに講義の概要として、講師は次のように語っている。
 【小説は原則的に一人で書くものです。小説の一般的な書き方などはありません。個々の小説それぞれに、個々の方法論があるにすぎません。しかし、言葉を感じる、文学を楽しむ、言葉を美しく表現する事などが基本なのは間違いありません。(中略)
 受講生一人一人が提出した課題作品の講評を中心に授業を進め、小説の面白さ、文学の深みを一緒に体験したいと考えます。】
 なるほど、この講師の言葉をそのまま受け取れば、この講座はこれまで、よく大学の教授や小説家の人たちが講師となって開講されてきた「文章教室」ではなさそうだ。あくまでも『早稲田大学エクステンションセンター』の「小説教室」は、小説の一般的な書き方を教えるものではなく、自らの言葉を用い、独自の小説を書くことを体験するのが目的のようである。
 私は会社をRetireしてから、これまで幾つかの文章に関する講座を受講したことがある。
 市の旧中央図書館で開講された延べ4回の「文章づくり講座」を受講したし、新しく完成した「おおぶ文化交流の杜図書館」でも、「文章講座『4〇〇字で伝えよう!エッセイ入門』」という講座を、これも4回にわたり、受講してきた。
 さらに、同じ図書館で企画された「文章講座『詩を作ってみよう』」にも参加した。
 だが、どの講座も文章テクニックについての講義が主体で、私は個々に表現の方法や言葉選びがあるはずだと思っている方なので、それをいじられることに違和感を抱いてしまい、到底、楽しむことはできなかった。
 今でも同じ図書館で、同じような講座が開かれることがあるが、不遜にも、もう得るものはないと、受講しようとは思わなくなった。
 私は会社をRetireしてから、月に8冊から10冊の本を読むようになった。
 そのせいか、個々に表現の方法や言葉選びがあるはずだなどと、偉そうなことを言っているが、ほとんど流し読みになっていている。特に最近では、このブログに載せる内容探しで、幾つもの付箋を貼ることはあっても、書かれている著者の言葉選びの中に何かを感じたり、その美しい表現に惹かれたりして、文章自体を楽しむことを疎かにしている。
 明日は若竹千佐子さんの『おらおらでひとりいぐも』を読もうと思っているが、流し読みではなく、文章表現を楽しみながら、読もうと思っている。

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