2年連続で 「朗読のひととき」を聴きに行く

 今日は市役所の多目的ホールで行われた「第17回 朗読のひととき」という催しに行ってきた。この催しに出掛けるのは、去年に引き続き、2回目である。
 去年までは市の勤労文化会館で行われていたが、今年はそこが改築されるというので、はじめて市役所の多目的ホールで催すことになったとのことである。
 去年の聴衆は80名から90名ほどであったが、今日はその倍以上の聴衆が集まっていた。市役所という利便性のよいロケーションがよかったのか、「朗読グループおおぶ 紙ふうせん」の同好会員の勧誘の努力とPRが功を奏したのか、かなりの盛況であった。
 去年は、リーフレットに記載された朗読作品の中に連城三紀彦氏の「まわり道」という短編があったので、小説を読むのと朗読を聴くのとでは、どんな違いを感じ、もの言わぬ活字とは別にどんなイメージがどんなふうに膨らむのか、それを確かめたくて出掛けていった。
 今年、前もって手に入れたリーフレットには、その朗読作品は次のように載っていた。
  1 落語絵本 かえんだいこ 川端誠 作
  2 白夜 星野道夫 作
  3 エッセイ 男のやさしさ 佐藤愛子 作 レキジョブームの先 渡辺淳一 作
  4 神無月 宮部みゆき
  5 詩 「うちゅうの目」より抜粋 まどみちお 作
 ここで、少し気になることがある。1落語絵本、3エッセイ、5詩というふうにジャンル分けがしてあるのに、2 白夜と4 神無月はそのものずばりのタイトルになっていて、ジャンル分けがされていない。2の白夜のジャンルはおそらく随筆となり、4の神無月は小説ということになろうか。
 そんな細かいことは気にするなと言われれば、返す言葉もない。
 この朗読作品のうち、高校と大学で落研(オチケン)であった私が聴いてみたかったのは、やはり川端誠氏の落語絵本「かえんだいこ」であった。
 私は落語絵本というものを見たことも読んだこともない。絵本というくらいだから、絵が主体のページの隙間にト書きや会話が書き込まれていると思われる。
 この「かえんだいこ」の元は、古今亭志ん生(五代目)師匠の十八番(おはこ)の一つ「火焔太鼓」で、古典落語の演目の一つである。
 落語ちゃんねる(落語動画・音声まとめデータベース)のブログには次のような説明が載っている。
 <作中に出てくる「火焔太鼓」は雅楽に使う太鼓の一種で、雅楽用は3メートルを越える大太鼓だが、神社・仏閣用は小型で持ち運びにも適している。
 江戸時代から伝わる小さな噺を、明治末期に初代三遊亭遊三が少し膨らませて演じていた。
 この遊三の高座を修行時代に楽屋で聴き覚えた5代目古今亭志ん生が、昭和初期に多量のくすぐりを入れるなどして志ん生の創作といってもよい程に仕立て直し、現在の形とした。志ん生以外にも子息である3代目古今亭志ん朝や8代目橘家圓蔵が得意としている。>
 私は、高校・大学時代の「落研」のときに、志ん生師匠の「火焔太鼓」は幾度もNHKテレビで観ており、その子息である志ん朝師匠のそれは、名古屋大須演芸場の「余一会」のときに直に見ている。従って、落語の演目としてはよく聴いた方で、「火焔太鼓」自体を演じた時間は17分前後だったように記憶している。
 ただ、志ん朝師匠の場合はマクラで時間調整をしていたようで、そのマクラの時間を入れると、40分近く演じていたこともある。
 今日、改めてYouTubeで、古今亭志ん生師匠と志ん朝師匠の「火焔太鼓」を聴いてみた。
 その師匠たちが演じる落語は、今日の川端誠氏の「落語絵本 かえんだいこ」の朗読の感触は同じストーリーでもまったく異なっている。表現方法が違うのだから、感触が違うのが当然なのだが、とりわけ会話の部分が大きく違っていたように思われる。
 私なりにその違いを考えてみると、朗読の中では、流れるような江戸訛りがないからのように思える。江戸の下町言葉には、独特の強弱と抑揚、そして絶妙の間がある。これは生まれ育った者にしか出せない訛りで、そのマネは一朝一夕には覚えられるものではない。
 あくまでも落語絵本というジャンルの朗読であり、どうやら落語とはまったくの別物として聴くのが正解のようである。
 なお、星野道夫氏の「白夜」は、氏の随筆集『旅をする木』に所収されている。
 時々刻々と変化する現代社会の中で、この地球には太古と変わらないものがある。これが、この随筆のテーマのように思える。
 この「白夜」には星野道夫氏がもっとも信頼を寄せていたブッシュ・パイロットのドン・ロスと、アラスカの広大なツンドラの景色の写真を撮りに行ったときのことが綴られている。次はその一節である。
 【白夜のツンドラで、カリブーの群れを追う一頭のオオカミを息を詰めて一緒に見ていたこともあった。それもまた太古の昔と変わらない風景だった。人間のためでも誰かのためでもなく、それ自身の存在のために息づく自然の気配に、ぼくたちはいつも心を動かされた。】
 インターネットで「星野道夫」を 検索してみると、氏に関する 数多くの解説とブログが出現してくる。
 また、驚くことに私が会員となっているBIGLOBE ウェブリブログでも「星野道夫」単独のテーマとなっていて、多くの書き込みがなされている。
 それはいかに星野氏が著名な写真家であり、エッセイストで、今でも氏のファンが多いかという証しなのかも知れない。

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この記事へのコメント

yumerinkoこと門番
2016年06月16日 23:56
今年も来て下さって、ありがとうございました!
そしてとても貴重なご意見とご感想を下さって、ありがとうございます。
このページまた今年も印刷して会のみんなにお知らせしようと思います。
今年は広報に載せられなかった失敗から「危機感をもって やれるだけの事をしよう」を合言葉?に各自チラシを配ったり考え付く限りの場所に置いてもらう等頑張りました。結果は、全く想定外の多くの方にご来場いただいて、役員一同驚いているところです。
プログラムの案を練り始めてから約半年後の今日の本番を無事終えて、今はほっとしています。issa様、ありがとうございました。
issa
2016年06月17日 23:00
yumerinko様、会員皆さまの朗読のパーフォーマンスを聴いたり、見たりしていると、とても楽しそうで羨ましくなるほどです。これからも朗読というパーフォーマンスを楽しんでください。
2016年09月03日 14:18
朗読っていいですね。胃を切って以来見に行ってません。
ちなみに私、人に聞いてもらう側で舞台に立ったりしていました。その時の緊張感、今でも思い出します。朗読の方に文章ででもお会いできてうれしいです。
issa
2016年09月03日 22:22
きろひの16様、実際に朗読グループに入って、頑張っておられるのは、monban というニックネームの方です。きろひの16様の気持が届くといいですね。
monban
2016年09月05日 00:44
きひろの16様、このコメントを読んでいただくことはできないかもしれませんが、monbanと申します。私は、朗読発表会の経験がまだ2回目の初心者で、舞台に立ち大きな緊張感に襲われながら、思い描いていた、ただ一点「伝える」ことに集中するのは、本当に難しいことでした。
きひろの16様もいつの日かまた、朗読を楽しむ場所に居られる日がくるといいですね。
(issa様、ありがとうございました。)

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