本音で話し合えるまでには、まだまだ時間が掛かりそうである

 腰痛がかなりよくなってきて、今週の水曜日から、やっと名古屋にある外国語学校I.C.NAGOYAの英会話の授業を受けることができるようになった。
 カナダ人の英会話講師 Brianは、8月3日にカナダに帰って行ったが、たまたま、私が出て行った水曜日はBrianの代わりの先生が始めて英会話の授業をする日らしく、教室に集まったクラスメートは、どんな先生か期待に胸を膨らましているように思えた。
 授業開始時間となり、教室に入ってきた先生を見て、私は少しばかり動揺してしまった。黒人だったからだ。
 私は今までに黒人と何度も話をした経験があるが、今一つ喜怒哀楽の表情が掴みづらく、その分、自分ではそんなに意識しないつもりでいても、どうしても一歩引き気味に距離を置いて話してしまうきらいがある。従って、私は黒人と親しくなっても胸襟を開いて、本音で一緒にお酒を飲んだことがない。最初から、そんなたわいもない理由で距離を置くことは失礼なこととは分っているが、知らず知らず構えている自分を未だに払拭できないでいる。
 その日、授業を受けるクラスメートは6人であったが、誰一人として動揺している様子はなく、私ひとりが勝手に動揺しているだけのようだ。むしろ、どんな教え方をしてくれるのか、興味津々といった表情である。
 先生はまず自己紹介を始めた。名前はJasonと言い、出身はアメリカ・セントルイスで、始めて日本に来たのは10年前で、今まで十数回ほどアメリカと日本を行ったり来たりしていて、両親がセントルイスからロサンゼルスに引っ越したので、一時帰国の場合はそのロサンゼルスの両親の元に帰っているとのことである。日本にいる場合には、そのほとんどを大阪に住んでいて、アルバイトでラジオやテレビのレポーターをやったり、高校で英語を教えていたと言う。今回、友人の勧めで始めて名古屋に来たとのことだ。話の端々にBrianの名前が上がるところをみると、友人というのはひょっとするとBrianのことかも知れない。
 趣味は野球観戦で、大阪が長かったので、ヒマを見つけては甲子園に出掛けて行っているうちに、いつの間にか、熱烈な「トラキチ」になってしまったとのことである。「六甲おろし」は日本語では歌えないが、メロディーは覚えていて、タイガースが勝ったときにはみんなで肩を組んで合唱したと多少興奮気味に話してくれる。
 それからしばらく、Jasonは大阪人の気質や大阪の街の面白さについての話を続ける。
 だが、クラスの中は、タイガースの話や大阪気質について、いくらハイテンションで語られても、誰もついていけず、次第にクラスが無言になっていく。クラスメートの誰もが、生粋の地元人間であり、名古屋に来たなら、名古屋の話題で盛り上がってほしいと口には出さないがみんな思っていて、その思いの丈が無言の雰囲気を作り出しているのだ。
 Jasonは、静かになったクラスの雰囲気がどうして作られたのか、しばし戸惑っていたが、やっと気持を切り替えたようで、テキストに沿って手際よく授業を進めていく。彼のしゃべる英語は、私にはとても分りやすかった。
 ただ、たった1コマだけの授業で、Jasonの性格に言及するのは軽率かも知れないが、常にハイテンションでお人好し、その上にお調子者といった性格のようだ。
 彼と本音で話し合えるまでには、まだまだ時間が掛かりそうである。 

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