日本より進んでいる欧米の環境に対する気遣い

 先だって、大学時代の教科書が収めてある本棚を整理していたら、以前から探していた英語の辞書が出てきた。
 その辞書というのは、私が大学3年となり、専門課程でReadingの時間が増えるに比例して、使用頻度が増えて、いつも手離さなかった辞書で、研究社の「NEW SIMPLIFIED ENGLISH DICTIONARY(English though English)」である。3年前に英会話学校でビジネス英語を勉強することになり、使い慣れたこの辞書をさんざん探しまくったが、そのときには見つからず、最近ではその存在をすっかり諦めかけていたが、ありがたいことにひょっこりと姿を現した。奇遇なり、また嬉しからずやという心境であった。
 私は当時評判だったこの辞書がほしくてほしくて仕方がなかった。何度も本屋で立ち読みしたが、やさしい単語でコンパクトにまとめてあり、使い勝手がよさそうで、私にピッタリの辞書だと思っていた。
 意を決して、その月の育英会の奨学金の支払日を待ち侘びて、やっとこの辞書を買いに行った。皮製の装丁に何度も手をやり、嬉しくてたまらなかったことを今でもはっきり覚えている。45年も前のことだ。
 最近では、この辞書を名古屋にある英会話授業を受けるときは必ず持って行って、難しい英単語が出てくると早速、この辞書で引いて、自分の視覚で確認することにしている。
 ところが、この辞書には、見出しとなる単語だけでも50万語以上収められているのに、今通っている英会話の授業のテキストに出てくる難しい英単語を引こうと思って、いくら捜しても見当たらないことが度々あるのである。
 それは、この辞書が編集されたのは今から約55年前で、今日までの期間に新しく誕生した単語が相当数多く出現したことを意味している。言葉は時代によって、変遷していく証左でもある。
 最近の英会話のテキストでも、【biodiversity(生物多様性)】【deforestation(森林破壊)】【stagflation(不況下のインフレ)】【brainstorming(ブレーンストーミング)】などが、悲しいことに、この辞書には載っていなかった。まあ、これらの単語は専門用語に近い単語なので、それなりに納得していたが、先週のテキストには【carpooling】という言葉が盛んに出現していたが、55年前に発行されたこの辞書には載っていない。
 そのときのアメリカ人英会話講師のDaniel に、【carpooling】は最近使われだした言葉なのかと尋ねてみると、自分が生まれたときには、もう世の中に出回っていたと言う。
 【carpooling】の代わりに、car-sharing(carsharing)、ride-sharing、 lift-sharingという言葉も使われるとも説明してくれる。彼の説明は続いて、自分が住んでいたアメリカの地域では【carpooling】と【car-sharing】は若干意味が違っていて、【carpooling】は通勤などで<相乗りしていく(do carpooling)>という意味だし、【car-sharing】は自分が生活しているコミュニティで車を共有し、スケジュールを立ててメンバーが必要なときに使用することを意味していると言う。
 そして、【carpooling】と【car-sharing】とかはアメリカだけではなく、フランスでも、英語の【carpooling】や【car-sharing】に当る特殊なフランス語があって、実際に盛んに行われているシステムだとも説明してくれる。
 ならば、日本の辞書も、<相乗り>という意味だけでなく、もっと多くのスペースを割き、例文をあげて詳細な説明が必要ではないだろうか。
 辞書云々という話題からは外れるが、【carpooling】や【car-sharing】という車社会での智恵は、CO2減少や交通量、騒音、それより何より地球温暖化阻止のためには、必要なシステムなのかも知れないし、今やOverdevelopmentと思われる地域に住む人間には、ある程度、ちょっとの手間という我慢を強いられなければならない時代が、ついそこまでやって来ていることは間違いないように思う。
 そう言った意味からすると、【carpooling】や【car-sharing】という言葉が普通に使われ、実践されているアメリカ、イギリスやフランスの方が、環境に対する気遣いは日本より進んでいるのかも知れない。

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