ヒカレものの呟き

アクセスカウンタ

zoom RSS お中元という慣習は もはや旧弊なのかも知れない

<<   作成日時 : 2017/07/05 21:56   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 今日の女房は、習い事の教室を掛け持ちするようで、朝9時に出掛けて行って、午後4時ごろにしか帰ってこない。
 私は午前中はシルバー人材センターの本部に用事があったが、そのあとは何の予定もない。午後から撮り溜めてあったDVD録画を観ていたら、宅配便が届いた。
 私が現役サラリーマン時代、取引していた協力会社からのお中元であった。私が会社をRetireしてから、もう11年にもなる。何とも義理堅いことで、胸が詰まる思いである。
 お中元と言えば、思い出すことがある。
 私は会社をRetireするまでの28年間、営業担当をしてきた。
 おそらく、今では旧弊とも言えるこうした習慣はなくなっていると思われるが、私の営業担当時代、この時期になると得意先のお中元リストを作成して、社長に直接、報告することになっていた。
 その報告書には、自分の会社との関係性、発注の裁量権、新部品開発の関わり度合い、出世ラインに乗っているかどうか、そうした視点で、会社にとって有効なお中元の送り先相手の情報を書き込んでいくものだと思っていた。
 従って、営業担当を任された初年度からは、そうした情報がまったく得られず、仕方なく前任者のリストをそのまま借用していた。だが、3年目にもなると得意先のリアルな情報が手に入るようになった。
 すると、前任者のリストが発注の裁量権を最も重視していることが分り、必ずしも新部品開発の関わり度合いとか、出世ラインに乗っているかどうかという視点で作られていないことに気付いた。
 私は営業担当を任されてから、3年ほどを掛けて、新規部品の開発担当者やエリートコースに乗っていて、ミスを犯さなれば、将来は間違いなく東京本社の幹部になると思われる人との付き合いを重視するようになった。ようやく4年目のお中元リストにはその旨の情報を記載し、尚且つ、二重丸を付けて提出した。
 また、その3年の間、人事の情報がいち早く入手できる立場で仕事をしている総務課の女性社員と日ごろから接触し、3年がかりで信頼を得るように努めていた。
 その女性社員は私より2歳年上であったが、年数が経つと総務課の主任となり、10年が過ぎた頃には総務部の主務となり、10人ほどの部下を統率するまで出世していった。
 私が55歳の役定になった頃には、その女性主務は総務部での手腕を買われて、東京本社の常務付の秘書となり、名古屋を離れ、東京へ転勤していった。
 社長が東京出張の折には、必ず私を社長室に呼んで、その常務の秘書から、社長以外の幹部の人たちのスケジュールを聞き出してくれと頼まれる。
 今はもう時効だが、毎年、その常務秘書から東京本社を頂点とする膨大な組織表が私宛てに送られてきていた。
 その得意先は13の事業所と工場、そして7つの研究所を持った大企業で、従業員が約9万人もいる。
 その組織表には、幹部の自宅住所も書かれており、単身赴任の場合にはその住所も書き添えられていた。さすがに海外の工場の組織図までは記載されてはおらず、書かれていたのは出向者の名前だけで、現地の住所は載っていなかった。
 相手にしてみれば、こちらがどの組織図が必要か分からないので、全体の組織表を送ってきたものと思われるが、私が必要だったのは、東京本社と地元の事業所と工場だけであった。
 実は、この組織表が誰にも見せたことはなかった。今でいう個人情報満載であったことも理由の一つだが、20数年かけて築き上げて得られた情報をそうた易く、人に洩らしたくないという気持もあった。
 それより何より、組織表の入手先が常務秘書だと知られるのが怖かったからである。
 東京本社の人事が変更となり、組織表の中に新規の常務の名前に見覚えがあると、その常務秘書から情報を仕入れる。
 その情報をもとに、社長にその常務の出身大学がどこで、どこの事業所で働いていた人であり、専門分野は何々だと社長に報告する。すると、何でお前がそんなことを知っているのかと詰問される。おそらく、お前みたいな奴が何で知っているのだと言いたかったのかも知れない。
 60歳になったとき、営業担当を退いたと報告したとき、「わたしも、今年限りで名古屋に帰ります」と言っていたので、もうあの膨大な組織表は送られてくることはなくなった。
 私は62歳で、会社をRetireするとき、その組織表はすべて焼却炉で、12年前の夏の暑い日に燃やしてしまった。まるで、その常務秘書との長い付き合いを断ち切るようで、何か切ない気持になったのを覚えている。
 お中元という旧弊は、今はもう時代遅れなのかも知れない。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
お中元という慣習は もはや旧弊なのかも知れない ヒカレものの呟き/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる