ヒカレものの呟き

アクセスカウンタ

zoom RSS お父さんと一緒にいることが、今の私には幸せなのです

<<   作成日時 : 2017/07/01 18:27   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 今日のバーベキュー場の勤務は午前8時半から12時半までであった。
 昨日からの雨で、これまで17組の予約利用者があったものが、昨日のうちに10組のキャンセルがあり、今日も5組のキャンセルが出て、結局、利用者は2組になってしまった。忙しくなるのではという気負いも空回りして、何とも気が抜けてしまった。
画像 就業を終えて帰宅してから、私はまた、小津安二郎監督の『晩春』を観ていた。この作品は小津監督の「紀子三部作」と呼ばれる内の一つだが、この作品が一番早く制作され、1949年に公開されている。
 Wikipediaによれば、この作品は1949年度の「キネマ旬報ベスト・テン」の日本映画部門で1位に輝いていて、日本国外でも非常に高い評価を得ており、英国映画協会(BFI)選定の2012年版「批評家が選ぶ史上最高の映画トップ50」で15位に輝いていると紹介されている。
 小津安二郎監督の映画は、家族の日常生活を下敷きにして、家族の心情を題材としたものが多い。この作品も家族の生活の日々の中に日本人が持つ人情や人生の機微、そこから生まれる哀歓がきめ細かく描かれている。
 小津監督の映画はローアングルで同じ位置から同じものを繰り返し見続ける「定点観測」が特徴である。その「定点観測」の中で映し出される日常には絶妙の間があり、画面の奥で人間の動きがリアリティを携えてこちらに伝わってくる。小津作品の持つ不思議さである。
 粗筋は次のようである。
 <大学教授の曾宮周吉とその娘の紀子は北鎌倉で暮らしている。周吉の妻はすでに他界し、親子二人だけで生活しており、家事は全て紀子が担っている。
 父の世話ばかりしている紀子が、父親との生活に満足して、婚期を逃すかも知れない。叔母のマサもしつこく結婚を勧め、見合いの相手を紹介しようとするが、紀子は父が困るからとしぶり、はっきりした態度を示さない。
 ある日、父と2人で能を観に行った紀子は、父が会釈をした女性を見て、2人の関係に疑いを持ちはじめる。父に対して不信感を抱いた紀子は、帰り道で父と別れて友人の元へ行くが、ここでも紀子の結婚の話題となり、居たたまれなくなる。
 叔母のマサの勧める相手に会って来たという父は、相手を気に入り、再度紀子に結婚するように説得する。紀子はそれでも「お父さんと一緒にいたい」と伝えるが、父は首を縦に振らない。
 とうとう周吉は、能を観に行ったとき、会釈を交わした女性と再婚すると、紀子に嘘をつく。紀子はそれを聞いてショックを受け、彼女はついに結婚を承諾し、叔母のマサにその意を伝える。
 父と2人、京都を旅行している最中に、再び紀子は「お父さんと一緒にいたい。そうすることが、今の私にはこれ以上の幸せはない」と伝えるが、父は「これからの人生は長い。結婚して別の生き方を見つけ、幸せになれ」と娘を説得する。それにより紀子は結婚の決意を固めていく
 結婚式当日、周吉はまた「幸せになっておくれ」と紀子を送り出した。
 その日の夜、周吉はある小料理屋で、紀子の友だちと2人で酒を飲みながら、自分の再婚は嘘であると告白する。そのことを知った友だちは「紀ちゃんの代りに、私がおじさまに会いに行く」と言うと、周吉は「本当に会いに来てくれ」と、寂しい気持を紛らわせるように微笑み返す。
 小料理屋から帰宅した周吉は、誰もいない部屋で椅子に座り、そっと林檎に手をのばして剥き始める。周吉は、剥きかけの林檎を手にしたまま、むせぶようにうなだれると、林檎の皮は床に落ち、周吉の肩もまた沈んでいく。
画像 紀子はファザコンである。
 能を観に行ったとき、会釈を交わした女性に嫉妬を燃やし、その女性に鋭い視線を投げかけるシーンは、まさに圧巻と言っていい。原節子さんの眼差しは、観客を尻込みさせるほど強烈である。
 そして、父親が旅行先で結婚と幸せについて娘に諭すシーンには、同じ娘を持つ身には、そのやり取りを聞いているだけで、居たたまれない気持になってくる。
 小津監督が描く世界は、典型的と言っていいほど日本的なのに、この「晩春」も「批評家が選ぶ史上最高の映画トップ50」で15位に選ばれている。
 新世界と呼ばれるアメリカではなく、ヨーロッパの批評家には、父と娘の心情が理解できるということなのであろうか。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
お父さんと一緒にいることが、今の私には幸せなのです ヒカレものの呟き/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる