ヒカレものの呟き
岐阜県中津川市『馬籠宿』と長野県南木曽町『妻籠宿』
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作成日時 : 2008/05/03 22:14
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先月の30日、岐阜県中津川市の馬籠宿と長野県木曾郡南木曽町の妻籠宿に行ってきた。
私は50年前の高校時代、初恋の人T.T.と一緒に、馬籠宿に行く機会があったのに行けなかった。
私は、高校時代、文芸部に所属しており、文芸部の活動の中に、年に一回、名作の地を訪れるという企画があり、偶々T.T.が文芸部に入部してきた年は、島崎藤村の『夜明け前』の舞台になった木曽路へ行くこととなり、日帰りで中山道馬籠宿を訪れたことがあった。T.T.は、積極的にその旅行に参加したが、私は参加しなかった。
そのとき、文芸部の部長をしていた私が、何故、その小旅行に参加できなかったか、50年も過ぎていることもあり、その理由をどうしても思い出せないでいるが、私は今でも、T.T.と一緒に行けなかったことが心残りで、未練がましく未だに悔やんでいる。
4月26日、12年間付き合ってきた女友だちF.H.と会って、彼女との仲が修復できると確信したとき、私は今まで、T.T.を思い出すことが辛くて、馬籠宿に行くのをずっとを避けてきたが、今後のF.H.との付き合いを今まの12年以上に大切にするためにも、遅まきながら初恋の人T.T.との完全な決別を計るべく、どうしても馬籠宿と妻籠宿に行ってみて、T.T.が歩いていたかも知れない宿場の町並みを自分でもゆっくり、歩いてみたかったのだ。そうすることが、50年近くも後生大事に抱えてきたT.T.への思いを断ち切るための、私なりの心のケジメだった。
私の家から、馬籠宿に行くには、伊勢湾岸道の豊明インターから東海環状道に入り、土岐ジャンクションから、中央道に乗り、中津川インターで下りて、しばらく国道19号線を木曾方面に走れば、20分ほどで馬籠宿に到着する。約1時間半のドライブである。
さすがに、ゴーデンウィークである。物凄い人出で、東南アジアからの旅行客の多いことにも吃驚させられる。白人の外国旅行客は、外見ではっきり、それと識別できるが、中国人や韓国人は、言葉を聞いてはじめて、外国旅行者だと確認することができる。私は、そういう日本に極めて近い歴史や文化を持つ人たちにも、日本の宿場町がこれほどの人気があるとは思わなかった。
そう言えば、外国語学校の英会話講師の殆んどが、馬籠宿や妻籠宿に行ったことがあると話していたのを思い出す。おそらく、この東海地方に住んでいる外国人には、京都は別格として、桜の時期の春と紅葉の秋、最も人気のあるスポットがこの馬籠宿と妻籠宿ではないだろうか。
アイルランド人の英会話講師DavidとLaura夫妻は、去年の春と秋、折りたたみ式の自転車を担ぎ、JR中央線で南木曽駅まで行き、そこで自転車を組立て、サイクリングをしながら、妻籠から馬籠を回ったことを話してくれた。
近代的に観光化された馬籠宿に比べ、妻籠宿は江戸時代の宿場町の風情をきっちり残してくれていて、自分たちが国にいたときにイメージしていた日本らしさが充分残っており、とても興味深かったと話してくれた。
私は30日に、実際、馬籠と妻籠に行ってみて、DavidとLaura夫妻の感想が全く正しかったことを知った。
人により、感想はそれぞれ違うであろうが、David夫妻が感じたように、馬籠宿は観光化が進みすぎているというか、余りに商業主義に走りすぎているというか、町並みにそんな気配が其処ここに溢れていて、江戸時代の宿場町の風情が徐々に消えつつあるという感じがして、私には少々不満であった。
おそらく、50年前、文芸部で文学散歩にやってきた頃は、たぶん、道も舗装されておらず、自動販売機もなく、近代的なサッシなど、通りから目に付くようなところにはなかったのではないだろうか。きっと散策するにしても、馬籠宿は急な坂のために歩き辛かったに違いない。
その点、妻籠宿は馬籠宿に比べて、平坦な宿場町という保存に有利な条件が備わっているとは言え、町全体で、鄙びた宿場町の風景を必死で守り続けているような意気込みが、始めて訪れた私にも、ひしひしと感じられたのは、私だけのうがった見方だろうか。
私は、秋の紅葉の時期には今一番大事な女友だちF.H.と、馬籠宿と妻籠宿に一緒に来てみたいと心の底から思っていた。
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